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食べる経験と家庭料理と

くまざわえみ

青果ミコト屋さんでのまかないごはんや、ポップアップショップで提供されるごはんを家族で楽しみにしている

美味しいのはもちろんなのだけれど…行きたくなる理由を改めて考えてみたら、最近読み返した本の中に「そういうことか!」と腑に落ちる一節があった

一回の食事には、普段意識しているいないに関わらず、現実と情緒という大量の情報がやり取りされています。これが毎日複数回、繰り返されて食べる人に経験として蓄積されていきます。この情緒のやり取りが子供の情操を育てます。

土井善晴「一汁一菜でよいという提案」グラフィック社 2016年 

店先の簡易的な調理スペースで作る様子を目にすること、食べてみてわかること、食材の背景を聞いたり会話から気づくこと、たくさんの情報に触れるから

お腹だけでなく心が満たされる

そして、帰り道での家族での会話までが食べる経験

対して、私のつくるごはんを息子は「地味」だと言う

家庭料理は毎日のベースになるごはん。家族にとっては非日常から日常に立ち返るもの

地味だからこそ毎日飽きないし、出かけた時の楽しみが際立つ

そしてその経験が食卓での会話にもなって、次の楽しみにもつながる

食べ方を学んで、ごはんづくりの負担が軽くなった先には、どちらも楽しめるちょうど良いバランスが見えてきた

それで良いし、それが良い

ABOUT ME
くまざわえみ
くまざわえみ
食と暮らしのコーディネーター
1973年9月生まれ
A型に見られるO型、利き脳は感覚派の右右タイプ

発達凸凹・不登校の10歳息子と夫、義母と柴犬ハナの4人+1匹家族 横浜の北部で暮らす

料理や暮らしがテーマのドラマや映画、エッセイ、小説に触れる時間をこよなく愛す
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